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「玉川上水の件/Case01.Tamagawa-josui」
第三会(加藤翼、川田淳、村山悟郎)、じゃぽにか

「玉川上水の件/Case01.Tamagawa-josui」

第三会(加藤翼、川田淳、村山悟郎)、じゃぽにか
「玉川上水の件/Case01.Tamagawa-josui」

2013年5月26日、小平都市計画道路3・2・8号府中所沢線を巡って住民投票が行われた。50年前に東京都によって策定されたこの道路計画には、建設予定地にまたがる約220世帯の立ち退きや小平中央公園の雑木林400本以上の伐採が含まれている。計画実行の見直しについて住民投票を求める署名運動をはじめた市民団体「小平都市計画道路に住民の意思を反映させる会」は、7183筆の署名を集め、それによって都内では初の住民投票が実施されることとなった。しかし、小平市の小林正則市長は低い投票率では市民の総意として扱えないとの理由から、投票率が50%を満たさなければ開票を行わないという条例改正案を議会に提出、決定した。結果51010人が投票したものの、投票率としては35.17%にとどまり、開票されないことになった。そして投票日から90日後の8月24日には、その51010票は廃棄されようとしている。

このような争いの次第を目の当たりにして、加藤翼、川田淳、村山悟郎は「マジかよ」と思った。そもそもこのような問題は、賛成or反対の二項対立だけで捉えられるのだろうか。むしろ、対立構造によって互いのスタンスを硬化させているように見える。僕らは賛成でも反対でもない。第三のスタンス、アートによるアプローチを試みようと思う。これを示すことによって、必ずしも解決に依拠しない社会問題の多様な側面を切り出し、豊かなリアルに目を向けたい。たしかに、このスタンスは責任という概念からは遠いかもしれないが、だからといって51010人の票を捨てることが責任ある政治判断とも思えない。

日本は沈黙だらけだ。もう我慢ならない。もっと率直に、よりポップに、アーティストは動いてもいいんじゃないか。これまでアートは社会にたいして数多のチャレンジによって未知の可能性を指し示してきたし、これからもそれは変わらないと信じているのだから。こうしたモチベーションで、僕らはこれから「第三会」というオープンな集団をつくって、様々な問題にたいしてオルタナティブなアクションをおこしてゆきたい。

第三会

 

会期2013.7.13(土)-9.15(日)
(夏期休廊 7.22(月)-8.31(土) ただし8.10(土)は開廊)

時間18:30 - 22:00(ただし7.13(土)、8.10(土)は17:00-)
会場22:00画廊
住所東京都小平市小川町1-776-18

撮影協力 青石太郎



<イベント情報>

□トークイベントその1「オープニングトークイベント」
7/13(土)19:00〜21:00
加藤翼×川田淳×村山悟郎

本展覧会参加作家である第三会(加藤翼、川田淳、村山悟郎)によるトークイベント。
※予約不要。どなたさまもお誘い合わせの上、ご参加ください。

□トークイベントその2「國分功一郎×第三会(川田淳、村山悟郎)」
9月6日(金)19:00〜21:00
※参加費:300円、要予約
國分功一郎×川田淳×村山悟郎

今回のトークイベントでは哲学者の國分功一郎氏をゲストにお迎えし、小平都市計画道路を巡る様々な運動から見えてきた問題点を再考し、そこから私たちがどのよう に社会に関与していけるのか、その可能性についてお話したいと思います。是非ともこの貴重な機会を多くの方と共有できることを望んでおります。どうぞよろしくお 願い致します。(第三会)

國分 功一郎(こくぶん こういちろう)
1974年 千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。高崎経済大学経済学部准教授。著書に『スピノザの方法』『暇と退屈の倫理学』。

※御予約は下記メールアドレス宛に、件名を「玉川上水の件」とした上で、代表者氏名・連絡先・人数をお送りください。
info@2200gallery.com



撮影:第三会

<作家略歴>

■加藤翼 Tsubasa KATO

1984年生まれ。東京芸術大学大学院修了。国内外各地で、巨大な構築物をみんなでロープで引っぱり立ち上がらせ、時には破壊する「引き興し・引き倒し」シリーズを展開している。2011年、福島で津波の瓦礫から作られた13mの灯台の「引き興し」に500人が参加し、そのコミュニティのパワーを文字通り立ち上がらせた。 主な展覧会に「3・11とアーティスト:進行形の記録」(水戸芸術館、茨城)、「Project Daejeon 2012:Energy」(テジョン美術館、韓国)、「六本木クロッシング2010展」(森美術館、東京)。

HP→http://www.mujin-to.com/artist_kato.htm

■川田 淳 Jun Kawada

1983年埼玉県生まれ。多様な表現手段を用いて現代社会において隠され、忘却された風景を前景化しようと試みる。2007年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。2006-2008年四谷アート・ステュディウム在籍。主な個展に「まなざしの忘却」(22:00画廊、東京、2012)。主なグループ展に「Toyota Art Competition 2010」(豊田市美術館、愛知 、2010)、「千代田芸術祭 2011」(3331Arts Chiyoda、東京、2011)、「中之条ビエンナーレ 2011」(旧五反田学校、群馬、2011)、「depositors meeting 9」(art & river bank、東京、2011)、「ヒロシマオー ヒロシマフクシマ」(旧日本銀行広島支店、広島、2012)、「書を捨てよ、町へ出よう」(黄金町芸術センター、高架下スタジオA、神奈川、2013)、「3331 ART COLLECTOR FAIR」(3331Arts Chiyoda、東京、2013)。

HP→http://2200gallery.com/20121027kawadajun.html

■村山悟郎 Goro Murayama

1983年東京生まれ。美術家。自己組織的に生成するプロセスやパターンを、絵画やドローイングをとおして表現している。2011年チェルシーカレッジMAファインアートコース(交換留学)、2012年東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。現在、同大学院後期博士課程に在籍。
主な個展に「絵画的主体の再魔術化」(資生堂ギャラリー、2010)、「成層圏vol.6 私のゆくえ」(ギャラリーαM、2012)。主なグループ展に「MOTコレクション・MOTで見る夢」(東京都現代美術館、2009)、「TRANS COMPLEX - 情報技術時代の絵画」(京都芸術センター、2011)、「VOCA展2013 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、2013)。

HP→http://goromurayama.com/

■じゃぽにか JAPONICA

2002年に東京で誕生したオルタナティブアートクラブ。当時、美術予備校である新宿美術学院油絵科で知り合った有賀慎吾、川田淳、坂上卓男、杉田陽平、永畑智大、村山悟郎らによって結成される。他のクルーに、ヨシマツくん、ロミちゃん、ダイスケ(うんじんさん)、そらお、森ちゃん等がいる。
結成当初の活動は、新宿の街を舞台にして予備校の放課後に様々なパフォーマンスやいたずらを繰り広げるもので、密かな話題となった。代表的なパフォーマンスに「新宿駅東南口広場の木に登って、叫ぶ」などがある。その後は、クルーがそれぞれのソロ活動を展開してきたが、半年に一回のペースで「じゃぽ会(飲み会&カラオケ)」を開催するなど地下活動を継続してきた。2007年には発表を再開し、「国立国2007」(くにたち市民芸術小ホール、東京)に出展。また、「渡良瀬アートプロジェクト2007」(渡良瀬渓谷鉄道、群馬)に参加し、見事な炎上をはたした。
近年は活動を活発化させており、絵画、彫刻、版画、写真、映像、インスタレーション、フリースタイルラップ、カラオケ、ミニ四駆、らーめん、人力車、裸体、arpon usagiなど多様なメディアを駆使して人々を混乱させている。2013年3月に待望の初個展「じゃぽにかぱみゅぱみゅのじゃぽにかぱみゅぱみゅーじあむ」(art center ongoing、吉祥寺)を開催した。

HP→https://twitter.com/japonica_art